2005年11月11日

2005.11.11

そのキリンは、どのキリンよりも、随分と首が長かった。
そのキリンは、地平線も遠くに霞む、あるサバンナに住んでいた。

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そこには、一本、飛び抜けて背の高い木があった。
その木は、いつも悲しんでいた。背が高過ぎて、誰も遊んでくれないのだ。
フラミンゴの群れは、その木をはさんで、ふたつに分かれ、別々の場所に飛んでいった。
その木はまた悲しんだ。

キリンは、その木を毎日見上げた。葉の繁みから、毎日こぼれるしずくが、いつも気になったからだ。

「どうしたの?」
その木の下で、キリンが毎日見上げていたら、キリンもみんなとはぐれてしまった。
その木は、かわいそうに、そんなキリンに気付かなかった。だけど、キリンは見上げ続けた。
キリンはどんどん首が長くなって、その木もぐんぐん伸び続けた。

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キリンとその木は出会えたか?
それは、まだ私にもわかりません。

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