2006年01月14日
都会の街猫 Part.9
都会のマチ猫の見る夢は、
たとえばそれはバイシャ地区
最果ての地がこんなにもおおらかなところだったなんて!
黄色の路面電車はコトコト走るよ
ピンクにエメラルドグリーンにライトグレー…、
やさしい色合いのアズレージョ達
美しい町並みを抜けると、
乾いた風が、寝ぼけた左右のひげをくすぐって、
僕はちょっとだけキュンとなる
午後の光、ヒラヒラ落ち葉を追いかけて…
風が奏でる、気紛れな音の在処に立ち止まる数だけ、
暮らす人々の親しみと出会う
僕が路上を横切ると、コトコトはゆっくりと速度を緩めて…
だから僕は、かえって焦ってしまうんだ
そんな僕の慌てぶりに、窓辺に座ってたおばぁちゃんはニッコリ
バイシャ地区の天辺まで行くと、
底には、地平線の変わりに水平線が見える
キラキラ…、奇麗な海だなってまどろんでいたら、
一羽のカモメが、「あれは河だよ」だって!
青いから海だと思っていたら、びっくり、河だって!
海も河も、神聖な色は青いんだね
自慢じゃないけどね…、僕の瞳も同じ色してるんだ
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- at 16:08
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