2005年02月27日

七色ドロップスweb ver.2

私は昨夜、まんまるのお月さまを見た

郵便配達のバイクの音が遠くの方から聞こえる。
私はしーんと耳を澄ます。
カーテン越しに夏の風がささやく。
「お前宛の手紙があるか知りたいかい?」
夏の風はいじわるだ。また風が吹いた。
窓辺においている、美しいビードロでできた金魚鉢の世界から
ほおづき色した金魚がじーっと外を見ている。
好奇心?憧れ?退屈してる?
あなたが飽かずにずーっと見つめている先は私と同じ
世界が見えているかもしれないね。
私はいつかあなたをそこから外に出してあげたいと、
ほんとうにそう思うのだけれど、そうしたら、あなたが
あんまりに広くてどっち方へ進んだらいいのか、
わからなくなってしまって、よりいっそう、狭い空間から
動けなくなるんじゃないかしらって心配なんです。
あなたはあまりに赤くて小さいから。
私もいつか知らない光と色と匂いの世界へ行ってみたい。
また吹いた。
お昼寝の時、あなたがきかせてくれたあのメロディーが
夢の中まで追いかけてきて
レースのようなたそがれ。
目覚めて
チョコレートひとつぶ食べました。

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2005年02月25日

2005.2.25

春のち雪、または・・・。
最近の季節はやりきれない。もうすぐそこに3月がいるのに今日はずっしり雪の白。
私は雪とは相性が悪い。子供の頃からそうなのだ。
何があった、というわけじゃないが、何となく嫌な思い出がありそうな気がする。
そもそも、私が育った土地はそんなにひどく雪は降らない。
にもかかわらず、「今日に限って」という日に雪はやってくるのだ。
白と黒のモノクロの世界。

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子供の頃はその雪が解け出す時に垣間みせる闇の世界が怖かった。
駅伝競走、不安定な視界、時に痛くぶつかってくる。
速く走れば走るほど、条件は不利になる。
じんわりと靴底から浸そうとしてくる。子供の頃のハイカットのピンクのコンバースもだいなしだ。
電信柱が人かげに見える。たすきを渡す子はもう家に帰ったかもしれない。
私は一層、真剣に走る足を速める。

今日は、昨晩積もった雪の名残が家々の屋根を等しくしていた。
道路にはすでにガスにまみれた土色の氷が規定なく渦くまっている。

金魚のジェシーが昨日の夜から様子が変なの。背泳ぎしてるの。
お腹はぷっくりふくらんで、空気がいっぱいつまってそう。だから裏返しになるの?
今朝になってもなおらない。ジェシーにごはんをあげました。ジェシーは
背泳ぎのまま、必死に食べようと試みるけど、背泳ぎではうまく食べれない。
私はストローで人口呼吸。ジェシカはそのたび、ヒラリと回転して、その
愛らしい赤をチラつかせるけど、だけど長くは続かない。遠くへ行ってしまうの?
寒中金魚、金魚は寒いのに強いって聞いたのに。お願い、
この雪の日には逝かないで!

2005年02月23日

七色ドロップスweb ver.1

私は今日、虹色の雲を見ました。

ヒメリンゴの実がたわわに実る頃、
甘くて酸っぱいイチゴジャム、キャンドルの明かり、
けしの花の咲き乱れる丘、港の夕映え、てんとう虫

あなたと会って、私はたくさんの花の名前を覚えた
桜の花が咲いたら、最後の花びらが散ったら!
私はもっとたくさんの花の名前が知りたくなった
「心」常にみたされぬ神秘なもの
ブランコのように私の心は風にゆれ、波にゆれ
「こういう日」

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私はまたひとつ花の名前を覚えた。
そうやって
ひとつずつ花の名前を教えてください。
ひとつずつひとの気持ちを教えて下さい

2005年02月20日

2005.2.20

膨大な夢の群がゴロゴロと私に押しよせてきて、私はバタンとたおれたんです。
夢の群は私からなかなか去っていかなくて私はバクを飼いました。
バクは意外になまけ者で食が細い。
私の思惑は失敗です。
次にインディアンにくもの巣のように私の周りに夢をとらえる特別な蚊帳を作ってもらいました。
だけど、この蚊帳は悪い夢だけとらえるように出来ていて、全ての夢からは守ってくれない。
私の思惑は失敗です。

私は眠っているときに夢を見るのが苦手です。

夢は起きてるときだけでいい。

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2005年02月19日

耳ながうさぎ

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(冬毛から春毛に抜けかわりかけのうさぎ)チョンと
飛び出してきて、私の前を横切手いった。
枯草色の草原にまだふるえるように生え出した緑色。
その真ん中を脇目もふらずに走り過ぎていった。
どこに消えた?

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草原はどこまでもグラウンドのようにダダとたいらで、
草群さえないというのに、うさぎの影はもうない。
見つめていると、じんわりと闇がまた少し私に近付いた。

そろそろ雨が降るかもしれない。

2005年02月18日

2005.2.17

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コーヒーをガブガブ飲みたくなった。
今日は何だか興奮している。
正午にはまだ早い、時計の11時から11時59分までは何というの?朝なの?お昼なの?
私は、その時間帯がわりと好きだ。
時計を見て、その間の時間だったら、「よしっ」て思う。
朝の夕暮れ時だから?
私は夕暮れ時も好きだ。
だけど、夕暮れ時は季節で移り変わる。だから時間で断定はできないんだ。
朝の夕暮れは変わらない。

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今日はこの冬(と自分が認識して)初めて素足にヒザ丈のスカートで
いろんな道をクッキーと闊歩した。
風は微々として穏やか。
空は空色の薄っぺらで、この風でもペランと飛んでってしまいそう。
空が飛んでったら、何がある?
私がもっと幼かったら、きっと夜があるって思ったかもしれない。
だけど、私はもう幼くない。そうじゃないことを知ってるんだ。
では再び、「空が飛んでいったら何がある?」
ふふふ、
空はね、よく子猫が高い所からそうするように、それはもう本当に
巧みにくるんと回転してまた空になるんだ。


まんまるお空だうっふっふっ


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道を歩くのに目的のないのは気分がいい。散歩するのとも違う。
林のような道を抜けると出口あたりに1本、八重の白い玉椿があった。
見上げていたらトポンって落ちた。
それをクッキーがくわえて、その瞬間がスローモーションのように頭から離れない。
そのあと、クッキーがくわえたまま首を振ったら、その八重の花びらがボサボサとやわらかに散った。
それは、クッキーのちょっとした悪だくみの手品みたいで、
クッキーがあはははと笑ってるみたいで、
私だけ一人が知らされていなかった出来事みたいで・・・。
スローモーションは私の頭の中でリピートしていて、
私はそろそろ目が回りそう。
今日はもう帰ろう。
帰ってコーヒーガブガブ飲もう。

2005年02月17日

都会の街猫 part.1

都会の街猫の見る夢は
たとえばそれは浜辺の夕焼け
まだ昼間の熱のさめないなだらかな浜辺に寝転んで
長いしっぽをたまにパタパタ
やどかりがセンチメンタルをじゃまするんだ

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都会の街猫の見る夢は
たとえばそれはカワラ屋根の上
グレー、ブルー、茶系の赤いの
でこぼこの段差がいろんな波を作っていて
そこで近所の猫たちと語らうんだ

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明日の天気は晴れるかい?って


2005年02月10日

2005.2.10

雨上がりの木曜日、夜明け前に目覚めました。「ソノ時、雨ハヤンデイタ?」
知りません。知りません。

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群青色の空気にまだ芽を出さない白樺の幹が、やけに光っていたようでした。
香りもやはり群青色で、それはツーンと、脳天をつき抜けていったんです!
ああ!雨の香りに土の香りも混っていました。
こういう日は、曇天の朝が訪れます。
「曇天ノ朝ハ訪レタ?」
はい。はい。訪れました。
飛魚の腹のような丹生色の空が広がって、その空は、やけに光っていたようでした。
朝は人々が道を歩きます。たいてい行く先はいつも同じです。
朝は車が道を走ります。昼間は車よりせっかちにウインカーがチカチカします。
私はそれをじっと見ていました。
「ソレヲジット見テイタ?」
そうです。そうです。私はそれをじっとみていました。
私は朝の番人です。

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眠る子はかわいい。曇天の日はきっと失敗事をしてしまうんだから。
いつまでもゆっくりお眠りなさい。
小鳥達、やさしい声で鳴いてあげて。トンビ、子供が怖い夢を見るとかわいそうだから
朝は鳴かないであげて。
笹よそよいで!サヤサヤと健やかなる音色を奏でて、曇天の朝をあの風にのせて
運びましょう。

雨上がりの木曜日に、早咲きのレンゲ草がまだ凍えて咲いていました。
そばにはナズナも咲いていて、ヒヨコ草も新鮮な若葉をみせていました。
みんな、まだまだ寒いんだから風邪ひかないでね。

おはようございます。