2005年02月27日
七色ドロップスweb ver.2
私は昨夜、まんまるのお月さまを見た
郵便配達のバイクの音が遠くの方から聞こえる。
私はしーんと耳を澄ます。
カーテン越しに夏の風がささやく。
「お前宛の手紙があるか知りたいかい?」
夏の風はいじわるだ。また風が吹いた。
窓辺においている、美しいビードロでできた金魚鉢の世界から
ほおづき色した金魚がじーっと外を見ている。
好奇心?憧れ?退屈してる?
あなたが飽かずにずーっと見つめている先は私と同じ
世界が見えているかもしれないね。
私はいつかあなたをそこから外に出してあげたいと、
ほんとうにそう思うのだけれど、そうしたら、あなたが
あんまりに広くてどっち方へ進んだらいいのか、
わからなくなってしまって、よりいっそう、狭い空間から
動けなくなるんじゃないかしらって心配なんです。
あなたはあまりに赤くて小さいから。
私もいつか知らない光と色と匂いの世界へ行ってみたい。
また吹いた。
お昼寝の時、あなたがきかせてくれたあのメロディーが
夢の中まで追いかけてきて
レースのようなたそがれ。
目覚めて
チョコレートひとつぶ食べました。
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