2007年08月30日

2007.8.30

月食

だけども影法師は消えず。

(かすかに揺らいだかもしれない。)


月食の影法師は長く伸びて、
わたしの肩にほの赤い
ダリアの花がとまっている。


(桔梗、リンドウ、竜のひげ、ススキ、ポンポン、宵待ち草)

草の名前を口ずさみながら、
ジェシカは花を摘んでいます。

きっと

大きな花束になるでしょう。

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2007年08月26日

2007.8.26

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その現実は、明るい緑色だった。


もう思い出せない
誰かの 遠い出発

過ぎる汽車を追いかけて
いつまでも手を振った

夏草を弄んで
中指を切った

傷ついた月を
幾夜も二人で眺めたね


自転車はジグザグに漕いだ。
風がシューと鳴った。

バイバイ ひまわり!

2007年08月24日

2007.8.24

ひぐらしが鳴く頃、

ああ、ヒマワリの写真が撮りたかった、と思う。

それは、桜の時ほど切羽詰まったものでなく、
ただ、来年を待つにはまだ遠く…、
ああ、だけど、
わたしの好きなヒマワリは、どこに咲いているのだろうと、
なんとなく漠と想いを馳せる。


最近は、道すがら、いろんな種類のヒマワリと出会う。

花の大きさ、八重咲、背丈の大小、葉と花の色…
同系種を区分するのが困難なほど、それらは繊細に違っている。

いろいろ目移りするが、わたしはやはり、絵に描いたような向日葵が好きだ。

葉色は断然、健康的な緑。

ヒマワリが太陽とともに回転すると聞いた時、
なんともいえず、わくわくした。
その日以来、ヒマワリには、空と雲と太陽がついてきた。


ヒマワリの原種は、たしか、アメリカ大陸だ。

コロンブスが、大陸を発見した時、
ひまわりが咲き乱れているのを想像する。

その強烈な印象が、全世界に飛び火して、
ひまわりが世界に普及した、…ような気がしてくる。

今見ている向日葵は、コロンブスの潜在意識だ。


この刺激的な花が、日本に根付いたのは、少し意外な気もするが、
この豪奢な存在感はいうまでもない。


ヒマワリ浪漫

そう、そして、
わたしの会いたい向日葵は…

…夢のようなウクライナのひまわり畑

…ゴッホを釘付けにしたあの時の花たち

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2007年08月14日

2007.8.14

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雲の王様が視察に来た。

ゆっくり太陽を横切って、

なんと優雅なことか。

2007年08月13日

2007.8.13

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愛用しているカメラが壊れた。
正確には、露出計が動かなくなった。

写真はオーバー気味が好きだし、
日頃、露出計など、さして気にしていないつもりが、
いざ、ピクリとも振れなくなると、
なんとも言えず心細い。

躊躇して、うまくシャッターが切れない。

トビウオは海に消え、
雲はその形を異にし、
深緑は騒ぐのをやめ、
花は妙にかしこまり、
全ては、
アンモナイトだ。

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モノクロームの世界。
今宵も花火が上がっている。

わたしは、
トマトをかじりながら見ています。

2007年08月10日

2007.8.10

今日、北の風が吹いた。


電信柱にツバメが4羽。
同じ方角を向いて、飛び立つタイミングを合せていた。

なごりを真昼の月にとどめて…
そのまっさらな青さが、
ツバメの旅立ちを阻んでいるように思われた。


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眩暈


ヒマワリの気怠い顔が眼下に広がる。

2007年08月08日

2007.8.8

朝の散歩に家を出たら、
風に乗って、
アカネトンボが集団できていた。

アカネトンボは赤トンボよりまだ色が浅い。
ほおずきのそれだ。

この時間、羽は朝日を映して香ばしく輝き、
アカネトンボが一日で一番美しい瞬間だ。

散歩にはトンボたちもついてきた。

前に後ろにせわしく飛んで、アカネトンボはややお節介なとこがある。
まったく、賑やかな朝だ。

犬たちは、ちょっと迷惑そうにしている。
っと、目をやったら、
野性児リキがトンボにかみついた。
或いは、トンボが誤ってリキの口に飛び込んだのかもしれない…
リキは、ちょっと苦そうな顔をして、モグモグそのまま飲み込んでしまった。

リアルな現実。
一瞬の出来事だった。

リキはなんでも迷いなく食す。
決して、お節介なアカネトンボへの見せしめ、などの深い意味はない。


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その後、勇敢なトンボたちは一緒に家まで戻ってきた。

お昼、郵便を見に外に出たら、
トンボたちは忽然と、皆いなくなっていた。
あれだけの大群がどこに飛んでいったものかと、
しばし感慨に耽っていたら、
横でリキがゲップした。

立秋です。

2007年08月06日

2007.8.6

夏休み
登校日


平和の歌を唱いながら帰っていると、
立派な入道雲の間から、小鬼がそうっとこっちを見てた。
赤鬼でも青鬼でもなく、
影色の、まだ子供の鬼だった。
淋しそうな顔をしていた。

私は驚いて、
目が合ったような気もしたけど、
再び雲を仰げなかった。

ひたすら、自分の靴先を見つめて、
ただ、リズムを保って歩いた。


あの日から、小鬼のことが気に懸かる。


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夏、
入道雲を見ると、
いつも小鬼を思い出す。

あれ以来、
小鬼に会わないけど、
今度、会う機会があれば、
力いっぱい手を振りたい。


きっと、
空の上も夏休みだ。

2007年08月05日

2007.8.5

白猫シモンが独り言。

「明朝、みつかけ星が異常に光ってたの知ってるかい?そろそろ雨だぜ。」


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2007年08月04日

2007.8.4

南風の強い一日だった。

夏、南風が吹いてる間はクラゲはこない。
これが地球規模で正しいかどうかは調べてないが、
私の暮らす町ではそのように言われている。

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今日は自転車がまっすぐに進まないほどの南風で、
海は水平線まで凪いでいた。
時折、沖合を船が通ると、
砂浜に波がこそばゆく走る。
夏と秋を行き交う空は、
雲を描き散らしていよいよ広く、
しかもまだ広がっているようだった。
海になじんだこの町にあって、
昼下がり、浜辺にはほとんど人影はない。
だが、空の印象で、海辺は明るく賑やかに感じた。

暴風林の松林は、
松ぼっくりがチェスの駒のように、
静かに何かの法則で並んでいた。

そこにも、南風が吹いてきた。

気にしてなかったが、
この地は、いつも風が吹いている。

海風と陸風
の狭間で私は育った。

2007年08月03日

2007.8.3

沛然たる雨の音。


この夕べ

天とわたしの間に、
遮るものは、もはやなく、
とおいとおいソラより雪がれる愛。

奇跡の飛礫。

雨音に身体を浸し、
五感は雨の一部となり、
深呼吸のたび、魂は宇宙へ溶け出す。


背の高い草はうなだれ、
花びらは色を映し、
星々はしばし瞬きを止め、
みなが、雨音と同体する瞬間!


小さな風がおこった。


その風は、スルスルと、
ウワバミの如く雨粒の隙間を擦り抜けて、

いつか、世界を飲み込まんとする。


うっかり、
深呼吸のとき、
それをまるごと吸い込んだ。

昨夜から、
迷子の風が、わたしの中でボーボー泣いてる。


雨音は、ますますドラマティックに木霊して、
わたし以外、
みんな消えて全部になりそう。


何か、いい煎じ薬を知りませんか?

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