2007年07月30日

2007.7.30

明朝、
いつもの道を犬たちと散歩。
ビュー
時折、野分のような突風が吹いて、気持ちがツンとする。
夏は川沿いを歩く。

流れのリズムに歩調を合せ、水中生物を観察しながら歩くのだ。

たまに、カワセミが水に飛び込む。

カワセミを見る日はいいことがある。


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途中、
橋を新設するらしく、出来合いの迂回路を通る。

その緩かに蛇行した道は、
まだ色褪せないアスファルトに、葛の葉が迫っていて、
私は、ここを通るのが好きだ。


「葛の花 踏みしだかれて 色あたらし この山道を ゆきし人あり 釈 迢空 」


早朝の散歩を、好きな和歌に見立てて、
まだ咲かない葛の花をなんとなく心待ちに探してしまう。


と、道草思考していたら、
先頃おたまじゃくしを卒業したかと思われる、
アマガエルが一匹、昇天していた。

田舎道にあって、
この現象は、別段珍しくもない。
だが、今朝のは、
微妙に色が違う。

畳のような…はしばみ色なのだ。

気の毒に、と目を凝らしたら、

河童だった。


こんな、小さな河童を見たのは初めてだ。

そんな、私の感慨を余所に、
犬たちは立ち止まることなく日課をこなし、

私はぼんやり家に着いた。

そういえば、昨夜は満月だった。

うちの犬たちもよく吠えた。

この辺りの河童は、相撲をとるのが好きと聞くから、

殊によると、昨夜あたり、
満月の余興で、河童の相撲大会があったかもしれない。

今朝の河童はまだ小さいから、
その見物に来たのではないか?

慣れない出来合いの道での不幸だ。

早くまた生まれ変われるといいと祈る。

…カワセミではなく、河童を見た。

悪くない一日だった。


今夜は雨になればいい。

2007年07月29日

2007.7.28

それは
或いは
「氷は水より出でて水より寒し」

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とけかけた氷のかけらが、
この世界で
何より美しいと信じていた日。

変りたくないと泣いた。


ワンピースの裾に見とれて
クルクル クルクル
いつまでもまわっていたかった。

自分より
影法師が大きくて泣いた。


サイダーの泡が少なくなる
なんとなく
息が苦しくなった日。


八月。


変らないと
たどりつけない場所があるって
魂が
震える季節。


前進する

しぶきあげて

蝉しぐれが

宇宙の合図

2007.7.26

昨日、
雲の中を散歩してたら
見覚えのあるアサガオの蔓。

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水やりの時、最近、殊に発育がいいと感心していたら、ひょんなところで出くわした。

眼下では、
濃紺・浅紅を白で丁寧に縁取って、
風を讃えて
笑っている。

ゆーらゆら ゆーらゆら

飛行機に煽られて
ブルーとアプリコットは
空中ブランコ

ズンチャカ ピッピッ
兵隊蟻の行進曲

「ああ!それより先は、危ないんだから先鋒止まれ!」

蔓たちよ。
どうぞ、もう、その辺にしといて下さい。

でないと、空が、俄かに混雑してきています。

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今年も、タネの採取は一苦労。
秋空に変わったら、
オニヤンマにまたがって、
せっせ せっせと、
タネ集め。

ブルーベリージャムの瓶には、
青色アサガオ
ストロベリージャムの瓶には、
赤色アサガオ
ピーナッツバターの瓶には、
絞りのアサガオ

不明のやつは、ミックスジャム。


ああ…
今宵も
アサガオの挑戦は続くよ。

もう
お月が隠れそう。

2007年07月22日

2007.7.21

私のチチンプイ。

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「…夢と知りせばさめざらましを」

濁点のリズムが気持ちいい、はてなのおまじない、
なんとなく独りの時に口ずさんでしまう。

知れない小町の心境に、少しの憬れがあるかもしれない。

「ユメトシリセバサメザラマシヲ」

私のニュアンス
余韻の魅力
チチンプイ

美しい響

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私は葡萄の花をまだ知らない…

2007年07月08日

2007.7.8

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…アスファルトの上に、モンシロチョウが力尽きている。

花びらじゃない。
風に弄ばれる銀の羽に、まだ幾何かの体温を感じる。

ドキン。

もう、抜け殻なのかもしれない。
だとしても、鱗粉に、過去の記憶が散在するから、私は明るく見送れない。

ナノハナ畑もシロツメの丘も、今はもう逝ってしまった。
身を委ねる、やさしい風も今は吹かない。

この街の、モンシロチョウの季節は去った。


(ああ、だけど、何としたことか!)

この夕べ
モンシロチョウの群が、輪になって、美空に昇っていくよ。

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七夕
天上は曇り
まだ月もない。

ひらひら きらきら
一筋の光が、たまに揺らめき手を繋いで、
なんとにぎやかなことか!

クスクス クスクス
笑っているのは誰?

サワサワ
天の川をわたって、
そのずっと向こうまで、
モンシロチョウは続いていくよ。

カニ星雲も岩の下に隠れてしまった。

あははは あははは
モンシロチョウは翔けていくよ…

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2007年07月07日

2007.7.6

そういえば、
小さい頃、よくシーソーで遊んだ。

ギッコン、バッタン
ギッコン、バッタン

地面にはタイヤが噛ませてあって、体が気持ちよく弾む。

ギッコン、バッタン

リズムを保って、シーソーは決して急がない。

ギッコン、バッタン

雨上がりは水たまりになってる。

ギッコン、バッタン

風が土から空に向かう。

ギッコン、バッタン

笑いながら遊ぶと舌を噛んだ。

ギッコン、バッタン

手のひらが鉄錆臭くなってた。

ギッコン、バッタン

テントウ虫がたまにとまってる。

ギッコン、バッタン
ギッコン、バッタン


気にしてはなかったけど、最近の公園にシーソーがいない。


ギッコン、バッタン

シーソーは一人では遊べない。

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2007年07月01日

2007.7.1

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睡蓮よりハスの花
水面との距離がいいと思う。

銀杏より柳
風の感じ方が私に合ってる。

菖蒲よりアヤメ
ふつうの金魚が好きだから。

クチナシより沈丁花
あの薫りには温くてやわらかな思い出がある。


五月より六月
薔薇の花が飽和して大気が喜びに満ちる。

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樺の林
光と風の中に自分を忘れ…


薔薇よりスミレ
大切なあの人が、昔好きだと言ったから。


スコール
道草
樹の根っこ

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