2006年02月23日

2006.2.23

「遠くから」

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羽根切りされてないインコの群れ。
何かつぶやいて、それらが一斉に飛び立つ時、今日の午後が弾けた。
薄くてやわらかな水色…それは、いつもより、もっとずっと、高い所にあるようだ。
私は、夢中になってそれらを見上げ、太陽の粒子にくしゃみする。
(大気に赤くなったバラの実が、鋼の辛抱強さで、いつかと変わらないまま、そこにあるということ。)
しかも、彼らは生きているのだ。棘も茎も萎れない、作り物ほども傷つかない。
現象!
…この午後にふさわしいと思った。

色とりどりのインコの群れは、私が昨日徹夜して作った、色とりどりの花々の壁画に、
…しばしとどまって、それからまた、あっちの方へ行ってしまった。


「近くから」

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ぺんぺん草、ヒメオドリコ草、雪の下、野路すみれ、ひよこ草、オオイヌノフグリ、
野イチゴ、蛇イチゴ、紫ケマン、ボウボウ草、キツネノボタンはきんぽうげ…
しとど降る雨の中、春の香が薫った。
…それは、こんぺい糖のトゲほどのきらめき。少女が、スカートを翻して、その大地を駆け抜ける。
その瞳はうつむかないから、きっとまだ、恍惚の変化に気付いていない。
私は、その大地を、踏まないようにそっと歩いた。

ああ、だけど、シロツメ草が見あたらない!
この午後、春が来て、花びら舞って、笑い声がして…、かぶるは、不完全な花冠。

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時を刻めないカチコチカチ、メトロノームが加速していく…

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