2005年03月19日

2005.3.19

ヒマラヤスギのコウモリ傘に春風とおぼしき生暖かいのがビュービューと吹いた。
公園の木々にも静かに夜が降りてきている。

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木々がゆっくり目を覚まし始める。私はこっそりスベリ台の下にかくれて見ていた。
まだ芽を見せない木々達を見わけるのは難しい。
けれど、永年、それはおそらく公園の出来る前からそこに住んでた木々達は
「誰」など関係がないようだ。そこのすべてが「自分」なのだ。

一等高いヒマラヤスギが今夜の公園の木々を見回す。
紅桜、白梅、サザンカ、わびすけ、少し遠くの方にミモザの木。
これらが近頃の公園を色どって、今夜、公園の空はピンク色。
コブシが無骨に指をならして弱冠春をいそがせている。

天中にくもの巣のようにはりめぐらしたあの木の名前は何だろう。
そういえば、それも、やっぱり公園で、
大木が秋風に身をまかせるがままに金黄色の黄葉を散らしていて、
「ああ、木は我が木だと知らないから美しいんだ」って思った。

自らを意識しない強さ、私は夜の木々に抱かれる。
自らを認識し、努力する美しさ、人はその道を選んだんだ。
感じて、考えて、深呼吸して、模索する。

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公園にはいつの間にか猫の集会。
夜に目覚める木々達はきっと何でもお見通し。
スベリ台にかくれて、木々の会話を待っていたけど、私がいるのもお見通し。
聞いてはいけないんだ。木々の声は神の歌。
まだ私は聞いてはいけないんだ。
でもね、私、満天星の小さな欠伸、きこえたよ。

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