2005年10月11日

2005.10.11

三浦海岸にもくらげはいた?
赤い汽車は走るよ。

空にかかる雲は昨日見た夢のように稀薄で、その途切れたところで汽車は止まった。
それから川を渡った。川は空よりも深かった。

緑のトンネルに入った。
トンネルは虹のアーチを一周していて、ならば曇りと雨の日は存在しないのかもしれない。
…トンネルはしゃぼんみたいに弾けた。そしたら、エメラルドの海だった。

その時私は、地中海の船上にいた。
海亀が昼寝をしながらついてきた。
もちろん海亀もエメラルドだった。

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その海は、見つめる水平線からどんどん増えているようで、私は言い様のない胸騒ぎを覚えた。
白く映える波の群れは、海から逃げ出したがって泣いて、私に連れていってと縋った。
波も汽車に乗りたがった。

海は永遠に続くようだった。
汽車の乗客は、みんな自分の前で腕組みをして、その目はすでに閉じられていた。
それらは汽車の付属品になって、同じリズムで揺れていた。
幾つもの駅を過ぎたけど、そんなことはどうでも良かったのかもしれない。私もただ乗っていた。

記憶が遥かに逝く気がするけど、それが誰の記憶なのか、今はもう判然としない。

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