2006年03月03日
2006.3.3
イスラエルで見たアーモンドの花が忘れられない。
3月だったと思う。
ガードレールがあった気もする…
みんなスピードを加速して、通り過ぎてしまう、峠の片隅にそれはあった。
サクラより武骨な幹に、やっぱり、サクラより猛々しい花びらをたわわに身に纏って、
鮮やかなる完全武装。行き過ぎる車の振動くらいではピクとも揺れることはない、
ギュッとひしめき咲誇っていた。なんて強い意思だろう!
あまり風を感じない、太陽も照り過ぎない、ミツバチの羽音が、車の騒音と花びらの中で木霊した。
あの存在…
あれからどれくらい経ったのだろう。
あの花盛りは、やがては葉を繁らせて、時期が来て、実を枝いっぱいにつけたのだろうか……。
そんな当然の経過が、あの木はまるで想像がつかない。あの花の群れはキョーレツだった。
白より、一層白くて尖っていた。白の意味は?
私は花しか見なかった。
何にも寄り添わない、景色からも切り取られた… あの一瞬!
うずくまる。
私は、なぜあの場所にいたのだろう。
なぜアーモンドの花と思ったのだろう。
思い続けているのだろう。
忘れられないのか…
白昼夢の彼方に、あの日の私とあの木の存在がおいてけぼり。
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- at 16:46
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