2006年12月27日
2006.12.27
空にうっすらと雲がのっかって、みずいろの窓はどこまでも私についてきた。
「もうすぐだよ」
汽車は呼吸して走るよ。
荷物をおろした瞬間のあの解放感、
そのために幾度となく背負っていたのかもしれない。
枕木の神経質でない規則正しいリズムに揺られて、
…なぜだろう、
次の目的地への期待や興奮より、これまでの過去を振り返りたくなる。
新鮮な風景が憧憬を誘う。
時折、私は一生懸命に風景を追う。
私の気を引く、何かを知りたい。
「もうすぐだよ」
そんなとき、どこからともなく声が聞こえる。
そうだ、もうすぐかもしれない。
私は「もうすぐ」の持つニュアンスが好きだ。
みずいろの窓は、少しずつその色が深くなって、
もうすぐ雪になるかもしれない。
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- at 21:53
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